製作記事の通りにカートリッジ周辺の電圧を測定し、ほぼ記事に準じた電圧を確認しても、なんとなく緊張感があります。
他のカートリッジと違い光カートリッジには電流を流すので、「スイッチを入れた。即こわれた」を想像してしまうからでしょうか。
いよいよカートリッジをプレーヤーにセットして、電源スイッチを入れます。
カートリッジ前面に緑のランプが点きました。これだけでほっとしました。
今までカートリッジが光るのを見たことがなかったので、少々不思議な感じです。
肝心の「音」は。
インターネットの記事を読むと「マスターテープの音」とか「レコードから出てきた音とは思われない」、「全く新しい体験」などと書いてあります。
私の場合、その再生音は楽器の一つ一つがつぶさに聴き取れるほどに鮮やかなものに感じました。
カメラで例えれば、ファインダーを覗きながら絞りを更に絞り込むと、画面の隅々までピントがピタッと合う感覚がありますが、光カートリッジの再生音はそれと良く似た感覚をもたらしました。
その、音のベールが取り去られた再生音を聴くのが楽しくて、次から次とレコードを聴いてしまいました。
どんな言葉を選んでも表現しきれないこのレコードを聴く楽しさ、光カートリッジの魅力はこれに尽きるのではないかと思います。