金田風プリアンプ No.257の製作 ④

投稿者: | 2019年3月31日

アンプの配線が済み調整の段階になりましたが、まず考えが浅かったと思い知らされることがありました。
それは、何を考えていたのか、プリント基板をスルーホール仕様で発注していたことです。
もちろん、部品面の配線など全くありません。

そのため、部品の入れ換え作業で思いのほか苦労しました。
時には足がちぎれてしまって折角の部品が使い物にならなくなることもあり、何回か残念な思いを味わいました。

それはさておき、記事に従い調整を進めた様子を綴ります。ただし、筆者は全くの初心者で、記述の間違いや手順の誤りなど多々あるかと思いますがご容赦をお願いします。

先ずイコライザー基板です。

「SAOCのTrのゲート、0V間を仮配線し、+6VラインとTrのドレイン間の電圧を計り、1.8vになるようにSAOCのVRを調整する」
この項目、本機の場合VRを一ぱいに回しても2.4Vにしかなりません。
この時、Tr1(2SK43(3))のIdssはR、Lとも5.25mA、SAOCの2SK170BLのIdssはR8.22mA、L8.23mAでした。
Tr1を2SK43(6)のIdss11mAに変えてみたら、2.2Vまでになりましたが、目標の1.8vに届きません。
次に2SK170BLのドレイン抵抗を変えてみたらと、手持ちの抵抗を次々と交換し測定してみました。
すると、680Ωまで下げるとなんとか1.8vになることが分かりました。
しかし、記事には「電源電圧の許容範囲でドレイン負荷抵抗をできるだけ大きくし、多めのドレイン電流を流している」とあるので、無信号時のドレイン電流が少し多めに流れることになりますが、ドレイン抵抗は回路図に従うことにしました。

このカットアンドトライはかなり長い日にちをかけたのですが、ある時バッテリーチェックの赤色LEDが消えていることに気づきました。
調整時間も長くなったので、バッテリーが消耗したのだろうかと思いながら、何気なくバッテリーボックスをつかむと、やけどをしそうに熱くなっていました。
あわてて、電源スイッチを切り、プリント基板上の部品を触ると、L側のラインアンプ等基板の2SK215が、これも2本とも指で触れないくら熱くなっています。過大電流が流れたのは明らかです。
ボックス内の電池も+6Vを構成する電池5本がすごく熱く、スプリングの劣化も確認できました。中には変色しケースの一部が溶けてしまっている部分もあります。
電池の秘めたパワーに少々ぞっとしました。

その電池ボックスの状況です。

-3.6V側のスプリングは何事もなかったかのようです。

どうしてそうなったのか、それまでの作業を思い返すと、直前にL側のTr2、Tr3の2SC2291を交換しています。
そこで2SC2291を取り出してhfeを測定すると533という大きな値でした。
hfeは300台を選別して使っていたつもりでしたが、間違って使ってしまったようです。

Voの調整は、やや揺れ動くもののほぼ0Vに合わせることができ、イコライザー基板の調整は完了としました。