金田風 カートリッジVIC

投稿者: | 2020年3月26日

昨年秋の中国西安旅行の記事以来長らくご無沙汰し、その間当ブログに訪問頂いていた皆さまには申し訳なく思っております。
諸事多端の上に、電源部のトラブル(No.239の製作 ⑩、⑪)のあとちょっとアンプを触る気が起こらず今日まで過ごしてしまいました。
しかし、どこかで金田風アンプと繋がりは持ち続けておかないとという気持ちはありました。
(No.239アンプは必ず仕上げるつもりでいます)

2月のある日、「昔組み立てたプリアンプに2SK97を使っていたのでは」と思い出し、押し入れの奥から段ボール箱を引っ張りだしました。
そして中のアンプをとりだしてケースの蓋を開けると、なんとなんと(!)イコライザー段、バッファアンプ段、フラットアンプ段のそれぞれに1個ずつ、合計6個を発見しました。

すっかり忘れていたので、なにかとても得したような気持になり、早速フラット段の2個を取り外しました。

Idssの測定をすると1個は4.3mAと、誂えたかのような数値を示します。
これはVICに使ってみようということで、すぐにプリント基板の原図を作成し、中国の業者に発注しました。
ところが、業者のホームページで作業の進捗状況を確かめるのですが、今回は新型肺炎のために工場に人が集まらないようで、製作がなかなか進みません。

いつもなら1週間ほどで仕上がるのが2週間以上かかり、ようやく手元に届きました。

左が2SK97用。右がこの機会に新調した2SK43用の基板です。以前より基板を左右1ミリ強広げリード線の配線をしやすくしました。
1面あたり20ピース、それが10枚セットなので各200ピース、分量としては大変なものです。

2SK97用
2SK97・リード線側
ピン側

2SK43用
2SK43・リード線側
ピン側

こんな感じでセットします

新しいシェルリード線を用意し、カートリッジ側のピンを切り取り、基板の穴に差し込み半田で固定します。
次に2SK97を向きに気をつけながら基板にセットし、半田付けします。
そしてリード線の残りの部分をそれぞれ基板に半田付けし終えたら、基板のピンをカートリッジの端子に差し込みます。
あと、先ほど半田付けした4本のリード線をヘッドシェルの端子にセットします。

仕上がったものが、下の写真です。

基板の部分を拡大してみます。

こうして出来上がったVICをプレーヤーにセットして試聴してみます。
2SK43も素晴らしいものでしたが、2SK97バージョンも実に素晴らしく思えます。

どなたかのブログに「レコードにこれだけの音が記録されていたのか」とありましたが、駄耳とはいえ本当にそう感じられます。
オーケストラの各楽器の音像も更にくっきりと聞こえてくるようです。
このような素晴らしい体験ができるのも、金田先生の研究の成果があればこそと感謝の念を強くしながら、レコードを聞き続けておりました。