金田風アンプ No.270の製作 ⑥

投稿者: | 2021年6月26日

調整に入りました。

記事の記述に従って、まず「ラインIVCの調整」。
+32VとTr2(A970)のB間の電圧はR、L基板とも8V強で、記事とは外れていますがそのまま調整を進めVB1(もう片側のA970の)を5Vに合わせました。

次にSAOCの配線を戻し、SAOCのVRで出力オフセット電圧V0を0Vに合わせます。
ところがここで、片方の基板のSAOCが働いていないことが分かりました。
SAOC回路内の半導体の問題かと、一個ずつ外して測定するとC2240が無反応、どうやらこの素子が問題のようです。
基板にセットする際は簡易測定で動作確認しています。なにが原因だったのでしょうか。
片側は正常に動作しているので、取り付けメモを参照し同じhfeのもので交換しました。

もう一度こちらの基板を測定しなおすと、今度はSAOCも働きV0を0Vに合わせることができました。
その後、出力段アイドリング電流I₀も両基板とも15mAにすることができ、意外とスムーズに調整が済みました。

続いて「イコライザーIVCの調整」です。
+32VとTr2(A970)のB間の電圧は、こちらはR、L基板とも10.05Vと記事の通り。
これは良いことだと、気分も新たにVB1(もう片側のA970の)を10Vに合わせました。
続いて、「調整用VICプラグ」にIdss約5.5mVのK43を付けたので、Icを3.5mVに合わせました。
その後の出力オフセット電圧V0も両基板とも0Vに合わせることが出来、ここまで順調に進んだみたいでした。

しかし、調整の最後ともいうべき出力段アイドリング電流が調整できないのです。
ab間に接続している10Ωの端子電圧が片側は70mV、もう一方は80mV程度しか上がりません。
念のため、各部の電圧を調べると、増減はあっても記事の測定値に準じた値です。
ただ、Tr2のコレクタの値が、記事ではほぼ3V程度なのが、25V前後と大幅に違っていました。
ここは6111との関係で3V程度でなくてはならないとは事前勉強の知識です。
更に、SAOC各部の値も全てかけ離れています。
それなのに、イコライザーIVCのSAOCのVRを動かし、ラインIVCの出力オフセット電圧V0を0Vにすることができるのは、なんとも不思議です。

それでも、ラインIVC出力オフセット電圧V0を0Vにできるのだからと、無謀にもNo.267アンプにつないでみることにしました。
カートリッジVICとの調整も済ませ、No.267アンプのスイッチを恐る恐る入れると、すぐにプロテクターのオレンジLEDが点灯します。
「それは当然のこと」と思いつつも、No.270のゲインVRをMAXにしてからSAOCを調整するなどするうちに、なぜかプロテクターが働かないポイントが見つかりました。

そこで、早速レコードをかけるという、更なる無謀な試みをしました。
それが、なんと音がでたのです。
最初は、キンキンした薄っぺらな音でしたが、10分もするとこのままずっと聴いていたい衝動にかられる音楽を演奏しだしました。
でも、そこでスイッチを切りました。
アンプが完成してないので、このままでは何がおこるか分かりませんから。

というのが、現況です。

上の写真は配線も汚くお恥ずかしい限りです。
ブログではさらりと組み立てているようですが、何度も部品や配線を付けたり外したりしています。
そうしているうちに、基板が汚れ、また半田ランドが熱で剥がれたりしたので、もう一度組み立て直しています
ですから、一部基板を取り外した状態です。