金田風アンプ No.239の製作 ③

投稿者: | 2018年6月28日

金田式No.239アンプを作ると決めて、雑誌記事の回路図をもとに部品リストの作成に着手。

リストを仕上げ各部品の入手先をあたると、薄々は気づいていたのですが部品の多くがすでにディスコン(廃番、製造中止)になっていました。もはや市場から姿を消したか、消しつつあるものが多いという事実に、改めて直面したのです。

まず、抵抗ですがすでにススムの抵抗は入手不可能、それに代わるニッコームも数年前に製造中止で、ショップにも在庫限り状態。LEDはスタンレーの5066Xシリーズが指定されていても、これも今は入手不可能という状況。半導体も指定のものの幾つかは希少品扱いといった具合です。

そんな中で、金田式アンプのショップ中のショップであったテクニカルサンヨーが、今年の5月末日をもって店舗営業を終了し、今後は通信販売に専念するというニュースが飛び込んできました。

私は関西在住でテクニカルサンヨーには電車で40分ほどの距離に住んでいるものの、今までテクニカルサンヨーは前を通り過ぎるだけの店でした。初心者の域をいつまでも脱することのできない私には、テクニカルサンヨーの敷居は本当に高いものだったのです。
それが一念発起、金田式アンプを作ると決めてからは2度、3度と店に立ち寄り、「おばちゃん」(関西の金田アンプファンからは敬意をこめてそう呼ばれているようです)とも言葉を交わすようになり、さあこれからという矢先に聞く閉店のニュースに本当に驚かされました。

入手困難な部品をインターネットの情報や、ヤフオクも活用して細々と集めてきた私にとって、どうしても手に入らない抵抗などをおばちゃんに相談すると、在庫があれば店の奥から出してきてくれたりして助けられていたので、事実上の撤退のように感じられとても残念に思いました。


5月にテクニカルサンヨーで最後に買い物した品(ススムの抵抗を割引サービスしてくれた)

潤沢な部品に支えられたアンプづくりの良き時代は終わろうとしているのでしょうか。今になって金田式アンプの製作を始める私に、「六日のあやめ、十日の菊」という言葉が実に良く当てはまっていて、先達の方々から「始めるのが遅いんだよ」と叱られそうです。

テクニカルサンヨーというと、金田式アンプのレタリングシートはテクニカルサンヨー扱いとなにかのブログ記事で読んだことがあったので、まだ在庫はあるかおばちゃんに確かめると、もうないとのことでした。

アンプは外見よりまず中身、だからテプラなどの名前シールを活用してもよいのでは、とも考えました。しかし、無いとわかるとあのレタリングも自分のアンプに生かしたいという思いがわいてきました。

レタリングシートを個人にも作ってくれる業者をインターネットで探してみると、地元大阪に見つかりました。ただ、A5サイズで4000円もすることが分かったのですが、これも道楽と割り切って発注することにし、黒のケースに合うよう白字で注文することにしました。

原稿はアドビイラストレーターを手に入れて、にわか勉強の末につくりあげました。ただ、金田先生のアンプで使われている角ばったフォントは手に入らなかったので普通のゴシック体にしました。


アドビイラストレーターでの原稿作成の様子