金田風アンプ No.239の製作 ⑪

投稿者: | 2019年8月10日

(金田風アンプ No.239の製作 ⑩の続き)
大変なことになったと思いました。

MJ無線と実験2015/9の91ページに、金田先生は、
「(電源部の調整が終わりパワーIVCの調整に入る前に)ここで十分に休憩をいれてから、…」
と記されています。
「慌てずじっくり腰を落ち着けて取り組まないと失敗しますよ」という、いみじくも私の行動を見透かすがごとき記述。
事前にもっとしっかりと読み込み肝に銘じておくべきでした。

半導体の回路はどこかでトラブルが起こると、その周りの素子も将棋倒しのように破壊されることも…、と聞いているのでとても心配です。

130V基板を見ると、問題のTR5(2sc2240)は見事真っ二つに裂け、中のチップが見えています。
欠けらは、ケースの中に落ちていました。

とりあえず基板を取り出し、面倒ですが全ての半導体を外して測定することにしました。
有難いことに、周囲の半導体はどれも規定の値を示し、生きているようです。

そこで、「爆発」した2sc2240を新規のものと取り換え、基板を組みなおすことにしました。
写真は、TR5を新調し組み立てている途中のものです。

左から3番目が交換したFETです。

組みなおした130V基板を電源部回路にセットして、こわごわ電源スイッチを入れました。
そして手早く主要な各部の電圧値を測定すると、幸い全て元通りの値を示します。

「良かった」と思いながら、パワーIVCの調整に進みました。

ここで、恐れていたことが判明しました。
右側は大丈夫のようですが、左側のSCT2450KEに電流が流れていません。

左側基板からSCT2450KEを取り出し、製作記事[図22]のVgs測定回路で測定すると見事に無反応。
まさに「やっちまった」です。
電源部の2sc2240の「爆発」が、回路の終端部に影響を及ぼしていたのです。

このブログの最初の方で、私は次のように記しています。
「金田式アンプを製作した方々のブログなどを拝見すると、出力段のトランジスタやFETを簡単に飛ばしてしまった体験談が書かれています」と。
もちろん、皆が皆そうではないのでしょうが、ついに私も同様の体験を記すことになってしまいました。