金田風アンプ No.291の製作(DS-E1 & DS003用プリアンプ) ⑤

基板に部品を組み込み完了しました。
こう並べると、Nutubeの存在感が際立ちます。
うす緑色の蛍光が光るのをはやく見てみたいと、期待が膨らみます。

参考にしようとネットでNutubeを使った自作アンプの記事を探すのですが、あまり見つかりません。
No.291アンプの製作記事も殆ど見かけないのも残念なことです。

真空管アンプの方面では、タムラ製作所が年内受注分をもってオーディオ用トランスの生産を終了とのニュースを読みました。

このような状況の中、Nutubeを世に送り出したKORGの意気や佳し。


金田風アンプ No.286の製作(DS-E1用プリアンプ) ⑨(付録その3)

No.286アンプの話題が続きます。付録その3です。

最近レコードを聴くときは、いつもこのアンプと光カートリッジの組み合わせで、思いついたことがあるとその都度手を加えたりしているので、現在進行中のNo.291アンプの製作が進みません。

その一方で、No.291アンプ用にとDS-003を導入しました。

それで、この写真、No.291アンプが出来てもいないのにDS-003が動作中なのは何故でしょうか。
到着したカートリッジを見るとすぐにも聞きたくなり、No.291アンプの完成を待たずに、No.286アンプをDS-003向けに改修したからです。
改修内容は、負荷抵抗をスケルトン8.2KΩに付け替え、REG基板の抵抗を2本交換で済みました。

その機会に、負荷抵抗にニッコームなどを付けてみたりして、スケルトンと比較試聴しました。
結論としては、他の抵抗がやや鋭い再生音かなと思わせるのに対し、スケルトンは柔らかい、私にとってはより好ましい再生音と感じました。

残念なことにSEコンデンサーの30000pFと6800pFはまだ入手できていません。
その代替として各種コンデンサーを試聴した結果、現在はWIMAのMKP10シリーズで落ち着いています。

この記事を書いているところで、私にとって朗報がもたらされました。
2026年冬号の無線と実験誌で、記念すべきNo.300という番号の、MC、光電両用の「デュアルカートリッジプリアンプ」が発表されました。
その中の光カートリッジ用アンプのイコライザー素子に、5100pFと1500pFのコンデンサーが採用されたのです。
このSEコンデンサーセットなら手持ちがあります。
もう、6800pFのSEコンデンサーを探さずに済みますし、光カートリッジ用の回路図は殆どNo.286アンプと言って良いほど。
これは是非とも作らねばと、俄然奮い立った次第です。(もちろんNo.291アンプを完成させてから)

この間にもうひと工夫したことがあります。
それはバッテリー電源に関してです。
Li-PoバッテリーからNP-F970互換バッテリーに戻したことは以前報告しました。
ただ、戻したのは良いけれど、ご存じの通りの接続の煩雑さ。なんとかできないかと思いました。

写真は一例ですが、バッテリー交換の度に8個以上の接続端子を、それも正負を間違えずにセットするのは集中力のいる作業です。接続間違いをし、それに直前で気がついてヒヤリとしたこともありました。

色々と考えて現在は下の写真のようにしています。
この端子台を使うと、交換するバッテリーをはめ込むだけで済みます。
しかも、端子台の赤ボタンを押すと、およそのバッテリー残量を表示してくれるのも便利です。

これはAliExpressで見つけたもので、ビデオカメラの補助電源や照明機器の電源用のようです。
価格的には、「コード+ミニ端子方式」がいかに経済的かということになりますが、接続作業に神経を使わなくて済むのがなによりと思っています。

少し以前の話を。
私のレコードプレーヤーはTechnicsのSL1200mk5で、長年特に問題を感じることもなく使っています。
ただ、アース付きRCAコードが本体から直に出ているタイプで、他の接続コードとの付け替えはできません。

昨年、関東方面に、トーンアーム内の配線の交換から、それを外部に出すRCAボックスの新設まで、SL1200専門に改修作業を引き受けてくれる工房があるのを知り、早速連絡の上改修を依頼しました。
それが次の写真です。トーンアーム内の線材は、MOGAMI2706、純銀線、エナメル線と選べる中で、純銀線にしてもらいました。
お陰でいろいろなRCAコードを試せるようになり、併せて回転数調整などメンテナンスもしてもらったので、このプレーヤーをまだしばらく使い続けるつもりです。

いま常用しているのはELECOMのDH-WRN10と言うコードです。
ネット上で評判が良かったので購入しましたが、現在は販売終了になっています。

金田風アンプ No.291の製作(DS-E1 & DS003用プリアンプ) ④


PCBWAYに発注していたプリント基板も(実はずっと前に)到着しています。
写真は左からRch、Lch、ラインアンプ基板(2枚)です。
REG基板とバッテリーチェック基板は、No.289アンプと回路は同じなのでそれを流用します。

ちなみに、このRch基板は2SA726用に用意したもので、実際には970用のものを使用します。


ところで、金田先生は近頃はVIC方式のDL103から、光電カートリッジによるレコード再生の研究に関心を移されているようです。

それについて、あるHPで、1997年3月号の無線と実験誌に掲載の「スーパーサーキット講座No.15/CR型イコライザーの解析」の紹介記事に出会いました。

それによると金田先生は、
「速度型カートリッジと変位型カートリッジにふれ、『もし光電型やコンデンサー型カートリッジのような変位型カートリッジがもっと早い時期に主流になれば、まったく違った規格が生まれただろう』」
と述べるとともに、
「光電型やコンデンサー型は原理的に優れた方式だが、特殊なアンプが必要なために、なかなか一般化しなかった。アンプ技術が進歩した今から考えるとぜひ復活させたい方式だ」
と記しているとのことです。(ご紹介感謝)

これを読んで、金田先生の光電カートリッジによるレコード再生の研究は、正に原点回帰ともいうべきことだったのだと納得しました。
そして、果てしなき「オーディオの巡礼」の旅を続ける先生にエールを贈りたくなった次第です。

金田風アンプ No.291の製作(DS-E1 & DS003用プリアンプ) ③

No.291 Nutubeハイブリッドアンプの製作ですが、難問はキーデバイスの2SA726と2SC959が簡単に入手できるという状況ではなく、こういうことが金田アンプ後発組のつらいところです。

どちらも、ネットオークションなどに出品される際の、セットで○千円という値付けをみると、できるなら70年代の秋葉原に行きたくなります。

ここは贅沢は止めて互換品を使うことにして、2SA726に換えて2SA970を使おうと考えています。
注意するのは足の配列の違いで、プリント基板の原図も2SA970用にしました。

PCBEのグリッド幅は、通常は4mm幅で作図していますが、今回シルクを記入するため0.5mmの設定です。

そして、部品表にもとづいて部品を集めていたところ、写真のようにほぼ全て集めることができたようです。
部品表の日付は2024年になっていて、我ながらずいぶんゆっくりとしたペースだと思っています。

金田風アンプ No.286の製作(DS-E1用プリアンプ) ⑧(付録その2)

No.291アンプの話題が進行中ですが、No.286アンプの話題を「付録その2」として添えたいと思います。

これはなんの変哲も無い金田風アンプの写真で、No.286アンプなのです。

なぜこんな風に書き出したかというと、実は数日前まで次の写真のような姿をしていました

「No.270 サブミニチュア管プリアンプ」のケースを流用し、L型アングルも以前のものを使ったものでした。

今回、No.291アンプのケースの製作にあわせて、No.286アンプもお下がりのままでは可哀想と、ケースを新調し、L型アングルも新しく作り直しました。

中をよく見ると、

33000PFのDIPマイカの姿が消えて、なにやら青いプラスチックに入れ替わっています。

SEコンデンサーを手に入れるつもりでいますが、入手できるまでいろいろなコンデンサーを付け替えてみるのも一興と試してみました。
コンデンサーにより結構音が変わることが分かり、結果としてスチロールコンデンサーの音が気に入ってそのまま使っています。

青いプラスチックは、33000PFのスチロールコンデンサーでした。

ロシア製なのだそうです。

更に、写真はありませんが、バッテリーをLi-PoバッテリーからNP-F970互換バッテリーに変えました。
というのも、Li-Poバッテリーの取り扱い方が下手なのか、最近膨らみが目立つようになり怖くなって使用を取りやめたわけです。
確かにLi-Poバッテリーは、接続プラグを差し込むだけという簡便さと、高性能とを併せ持っていますが、まだまだ発展途上の製品で、私のような素人が手を出す代物ではなさそうです。

雑誌記事に従って各部の電圧を再チェックし、以前と同じ値であることを確認し使っています。
交換して音が変わったようにも思いませんので(駄耳ですし)、安心して使えるこちらのバッテリーで当分ゆくつもりでいます。

金田風アンプ No.291の製作(DS-E1 & DS003用プリアンプ) ②

ケースのパネル作成の続きです。

前回、UVプリンターで印字してもらった経緯を記しましたが、実は孔開けもプロに依頼しました。

今まで、ボール盤まで導入して孔開けに挑戦してきたものの、一度も満足のいく仕上がりを得ることができませんでした。
その結果、日本が誇る職人たちにより精密に仕上げられた数々の部品が、私の下手な孔開けを覆い隠してくれていて(本当に申し訳ないことです)、なんとか外観は見栄えよく保たれています。
だから気にしないでよいとも言えますが、ここは一度プロの腕前を拝見したいと思い立ちました。

ネットで検索すると、大阪府内に幾つも金属加工業者さんが見つかりました。
その中で、小さな修理から大きな組み立てまでなんでもどうぞと、ホームページに掲げている業者さんに目がとまり、一度聞いてみることにしました。

私としては、ケースの孔開けなどという細々とした加工は断られるかとの懸念があったのですが、意外にも引き受けますとのことでした。

孔開けの寸法図やこちらの希望など何度かメールでやりとりし、業者さんからGOサインがでたのでパネル本体を送りました。
そして仕上がって返送されてきたパネルが下の写真です。

RCA端子についている滑り止めの突起の受けも丁寧に削り出されています。
また、皿孔も私が加工すると、ひと孔ひと孔が深かったり浅かったり、そのため3mmのねじ穴も3.5mmになったり4mmになったりするのですが、精確にあいています。

これを励みに組み立て作業を頑張ろうと思っています。

ところで、最近になって知ったのですが、タカチ電機工業からかなりの数の商品が販売終了になると発表があり、そのなかにOSシリーズも含まれていました。
具体的には2025年12月末営業日をもって販売終了とし、2026年以降は在庫限りの販売となり、OSシリーズの代替はAUシリーズと発表されています。
もしかしたら、今後は金田式アンプの顔立ちも変わるかもしれません。

今年の7月にはケースの「リード」も、電子機器事業から撤退を発表しています。

かつては「電子立国」といわれた日本の行く先が案じられます。

金田風アンプ No.291の製作(DS-E1 & DS003用プリアンプ) ①

久しぶりの投稿になります。

光カートリッジの魅力にすっかりはまり込んで、今度はNo.291アンプを作ることにしました。
No.291アンプはNutubeハイブリッドプリアンプです。
Nutubeを初めて使うので、少々の不安とそれを上回る期待が混ざり合っています。

今回、ケースパネルのUVプリンター印字を、「谷6Fab」という工房にお願いすることにしました。
「谷6Fab」は地図で見ると、大阪地下鉄谷町線「谷町6丁目駅」から徒歩で3分ほどのところのようです。 

予めHPで予約をとり、予約当日にパネルを持参して訪問すると、若い気さくな店長さんが出迎えてくれました。

そして、対象のパネルとイラストレーターで作成した原稿を渡すと、あとは店長さんが全てお任せでやってくれます。

その間、私は工房の隅に腰掛けて待つばかり。
といっても、プリンターはすぐそばにあり、店長さんが作業手順を説明しながら作業してくれますので、すこしも退屈しません。

そして、20分ほどでパネル印字は完成しました。
白色印刷のままでも良いけれど、透明インクを被せるとさらに耐久性が増すとのアドバイスで、追加で透明インク印字もしてもらいました。

金田風アンプ No.286の製作(DS-E1用プリアンプ) ⑦(付録)

前回、光カートリッジが再生する音の魅力を記しました。

リスニング環境として、DENON DL103+カートリッジIVC+金田風プリアンプNo.257もあり、これもまた別の魅力を持っているので使い分けていきたいと思っています。

さて、金田風プリアンプを調整する時、……実体配線図中のa、bで示されたランド間に10Ωの抵抗を配線。調整用VRを動かして抵抗両端の電圧を測定。所定の電圧が得られたら抵抗を外し、a、b間をジャンパー線で配線。……という作業をします。

私の場合、調整のたびに抵抗を付けたり外したり、ジャンパー線を付けたり外したりしているうちに、ランドが半田の熱で剥がれ基板が台無しになることがよくあります。

それを回避する工夫として、1枚目の写真のようなコードを用意しました。
写真の上側、黒のテープでカバーした部分に、小さな基板に赤と黒のナイロンジャックをハンダ付けして固定し、端子間に10Ω抵抗をハンダ付けしたものを収めています。
各端子からコードを伸ばし、その先にメスコンタクトピンを圧着してソケットにセットしています。
このコードを仮に調整コードと呼ぶことにします。
写真では使用方法の説明として、赤と黒のナイロンジャックにテスターのニードルを差し込んでいます。

2枚目の写真の〇で囲んだ部分のように、基板のランドa、b間にヘッダーピンを取り付け、普段は接続用ソケット(ミニコードにメスコンタクトピンを圧着しソケットにセットしたもの)を差し込んで接続しておきます。
調整の時は接続用ソケットを抜いて、調整コードのソケットをセットします。
調整が済んだら調整コードのソケットを抜いて、接続用ソケットで接続します。

以上は生活の智恵のような実験の報告でしたが、説明が下手なことご容赦ください。

上の写真はヘッダーピンから接続用ソケットを取り外した状態

金田風アンプ No.286の製作(DS-E1用プリアンプ) ⑥

製作記事の通りにカートリッジ周辺の電圧を測定し、ほぼ記事に準じた電圧を確認しても、なんとなく緊張感があります。
他のカートリッジと違い光カートリッジには電流を流すので、「スイッチを入れた。即こわれた」を想像してしまうからでしょうか。

いよいよカートリッジをプレーヤーにセットして、電源スイッチを入れます。

カートリッジ前面に緑のランプが点きました。これだけでほっとしました。

今までカートリッジが光るのを見たことがなかったので、少々不思議な感じです。

肝心の「音」は。

インターネットの記事を読むと「マスターテープの音」とか「レコードから出てきた音とは思われない」、「全く新しい体験」などと書いてあります。

私の場合、その再生音は楽器の一つ一つがつぶさに聴き取れるほどに鮮やかなものに感じました。

昔の二眼レフカメラを知っている方には通じる話なのですが、ファインダーを覗きながら絞りを更に絞り込むと、画面の隅々までピントがピタッと合う感覚がありますが、光カートリッジの再生音はそれと良く似た感覚をもたらしました。

その、音のベールが取り去られた再生音を聴くのが楽しくて、次から次とレコードを聴いてしまいました。
どんな言葉を選んでも表現しきれないこのレコードを聴く楽しさ、光カートリッジの魅力はこれに尽きるのではないかと思います。

金田風アンプ No.286の製作(DS-E1用プリアンプ) ⑤

解説記事にしたがって調整をしました。

今回の調整作業は今までの金田風アンプ工作の中で一番スムーズだったように思います。

フラットアンプ基板については、両chともI0の20mAはVR2の回転範囲内で得られ、V0もVR1の中点からそれほど動かさないで済みました。

イコライザーアンプ基板は、Tr3のソース抵抗を記事通り(R.ch430Ω、L.ch510Ω)とすると、VR2の回転範囲外となりました。
ソース抵抗を半固定抵抗に付け替えて実測し、ソース抵抗をR.ch120Ω、L.ch150Ωとしました。
その結果、VR2の回転範囲内で調整することが出来ました。
2SK43は手持ちのランク3のものを使いました。

その前に、バッファのVDCは両chとも23mVほど出ていたので、これも56Ωの抵抗を100Ωの半固定抵抗に付け替えて実測すると、40Ωで0mVになったので近い39Ωの抵抗に取り換えました。(VDCは±2mV以内)

上記は、素人の私が考えて進めた調整手順で理論的裏付けはないものです。
参考にされる場合は、あくまで自己責任でお願いします。